
アモルファス金属を知っていますか?アモルファスとは、ラテン語で「形のある」という意味の「モルファス」に否定の「ア」をつけて、「形のない」という形容詞になります。これは、原子構造は液体のようになランダム状態でありながら固体であることに由来します。このユニークな構造のおかげで、磁気的に非常に柔軟な性質を持ちます。つまり、磁界の変化に敏感に反応し、磁界のスムーズな通り道として機能します。このような性質はトランス、インダクター、モーターなど電磁力を用いて、エネルギーを変換するデバイスの鉄心(コア)に適した性質と言えます。磁気的な軟らかさのおかげで、エネルギー変換効率も上がり、非常にエコ性能に優れた材料として認知されています。ただ、このアモルファス金属は、材料的には非常に硬く、難加工材料という側面も持っています。モーターコアは複雑な形状が多く、打抜き加工を行いたいことから、難加工性を克服し、効率的な加工を目指しています。次世代たたら協創プロジェクトでは、島根大学NEXTAを中心に材料メーカー、材料加工、材料評価企業の共同体を組織して、加工の難題に取り組むとともに、アモルファスモーターの魅力が最大限に活かされるフィールドの探索を続けています。高速回転、低発熱、高効率によりユニット全体の省スペースやバッテリー駆動機器への応用を視野にドローンモーターやダクティッドファンモーターの紹介を行っています。
出展製品
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ダクティッドファン用アモルファスモータ
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ターゲット
空調、ドローン、データセンター、エコ住宅
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利用シーン
高圧空気、高流束、高スラストの発生。強力な吸引力。
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製品の特徴
効率の良さ、すなわち損失の少なさに起因して、モータの発熱が少なく、高回転を維持したまま連続稼働が可能。既成のモータよりも25%以上の高効率を達成。力強い風で物体を押し上げる。さしずめモータ版ジェットエンジン。強力な吸引力も発生し、短時間で効率的に減圧が可能。
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ターゲット
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ドローン用アモルファスモータ
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ターゲット
防災、輸送、農業などを目指したドローン
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利用シーン
電力消費が従来品よりも少なく、同じバッテリー容量で長時間・長距離のフライトが可能となる。また低発熱性を利用して、より高い定格での連続運用などが期待できる。
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製品の特徴
同じ設計の従来材をコアに用いたドローン用モータと比較して、同じスラストを発せさせるのに、2/3程度の電力消費で済む。そのため、バッテリーの駆動時間が伸びることが予想できる。さらに、このことにより、モータ本体の発熱が抑えられる。本モデルは開放型のモータだが、過酷な現場での利用のために密閉型モータを用いた場合には熱暴走のリスク低減、経年変化の抑制など付加的な効果が期待できる。
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ターゲット